ちいつる
A-16リファレンス

物語構成・シナリオ技法カタログ

小説・ノベル・シナリオの構成技法を、AIが下書きを磨く際の参照先として整理する。

触ってみる4つの点をドラッグして緊張度カーブを組み替えてみてください
発端対立クライマックス解決

緊張度: 発端 58 / 対立 79 / クライマックス 100 / 解決 65

「対立」を上げきってしまうと、肝心の「クライマックス」で落差が作れない。読者を運ぶのは緊張の絶対値ではなく、点と点のあいだにできる高低差のほうだ。三幕構成の設計とは、つまりこの起伏をどこに置くかを決める作業に近い。

触ってみる各シーンの点を上下にドラッグして、感情の起伏を描いてみてください
平均変化量(隣り合うシーンの感情価の差)63平坦な区間1

感情が高いまま平らな区間がある。良い場面でも、動かなければ読者はその高さに慣れてしまう。

折れ線の高さそのものより、シーンからシーンへの落差のほうが読者を前へ運ぶ。同じ調子が続けばグラフは平らに寝て、そこが中だるみの生まれる場所になる。緊張度の高低とは別に、感情をどれだけ動かし続けられるか。物語にはこのリズムという二本目の設計軸がある。

三幕構成・ヒーローズジャーニーの型

三幕構成は「設定(日常と課題の提示)」「対立(試練の連続)」「解決(決着と変化)」の3部で物語を組む最も基本的な型。ヒーローズジャーニーはこれをさらに細分化し、「日常の拒絶」「境界を越える」「試練」「最大の危機」「帰還」といった段階を踏む。どちらも「主人公が変化するまでの距離」を設計する道具である。

触ってみる2つの境界をドラッグして、各幕の長さの配分を変えてみてください
25第一幕 設定50第二幕 対立25第三幕 解決

均整のとれた配分。おおむね 25 / 50 / 25 の黄金比に近い。

三幕の黄金比はおよそ 25 / 50 / 25。第二幕(対立)が全体の半分を占めるのは、変化には「試練を積み重ねる尺」が要るからだ。ここが痩せると変化が唐突になり、太りすぎると中だるみになる。

触ってみる円環の針をドラッグして、12のステージを一周してみてください
1/ 12
日常の世界日常世界

主人公の普段の生活と、心の欠落をさりげなく見せる。

日常の世界を出て、非日常で試練を受け、変わって帰ってくる。ヒーローズジャーニーはこの一巡を円環に描いた型で、三幕構成の「対立」を行きて帰りし12の段階へ開いたものと見ることもできる。

キャラクターアークの設計(欲求と欠落)

魅力的なキャラクターは「表面的に欲しいもの(欲求)」と「本当は欠けているもの(欠落)」の2層を持つ。物語はこの欲求を追いかける過程で欠落に気づかせ、満たしていく構造になる。この2層を先に決めてから行動やセリフを書くと、行動に一貫した動機づけが生まれる。

触ってみる欲求と欠落を選び、スライダーで物語を進めてみてください
欲求(表面的に欲しいもの)
欠落(本当に欠けているもの)
欲求への執着欠落の充足
物語の進行
20%
アークの変化量(主人公がどれだけ変わるか)
80%

主人公の目は「大会で優勝する」だけに向いている。「仲間への信頼」の欠如には、本人もまだ気づいていない。

変化量を0にすれば、どんな危機を越えても主人公は元のまま。これが「フラットアーク」だ。逆に変化量を上げると、欲求の線が下がり欠落の線がせり上がって、どこかで交わる。その交点こそ、主人公が何を手放し何を得たかが切り替わる瞬間になる。

触ってみる点をドラッグして、目的の強さと障害の強さを動かしてみてください
上へ 障害の強さ
目的の強さ →
目的 70×障害 70葛藤 70

強い力どうしが拮抗して、火花が最も激しく散っている。シーンがいちばん燃える状態。

点を動かすと、熱がいちばん強く灯るのは目的も障害も高い右上の一角だけ。どちらか一方が痩せていると、もう片方をどれだけ盛っても手応えは頭打ちになる。ぶつかる二つの力の、弱いほうがそのシーンの葛藤の上限を決めてしまう。

伏線の張り方と回収のタイミング

伏線は「後で意味を持つ情報を、意味に気づかれない形で先に提示する」技法。回収は物語の後半、読者が伏線の存在を忘れかけた頃に行うと効果が最大化される。あまりに早く回収すると意外性が薄れ、あまりに間が空きすぎると読者が伏線自体を忘れてしまう。

触ってみる伏線を張る位置と回収位置をスライダーで動かしてみてください
第一幕第二幕第三幕伏線回収
伏線を張る位置
15%
回収する位置
75%
意外性(気づかれていないか)
98
記憶度(覚えていられるか)
34
伏線の効果
64

まずまずの距離。もう少し調整の余地がある。

意外性は張ってから回収するまでの距離が開くほど増し、逆に記憶度はその距離ぶんだけ薄れていく。伏線がいちばん効くのが「忘れかけた頃」なのは、増える意外性と減る記憶度の積がそこで山を迎えるから。近すぎても遠すぎても、この山は崩れる。

触ってみる矢印ボタンでシーンの「語る順番」を入れ替えてみてください
  • 1平穏な朝の日常時系列#1
  • 2届いた不審な手紙時系列#2
  • 3突然の事件発生時系列#3
  • 4手がかりを追う捜査時系列#4
  • 5真相と対決時系列#5
冒頭フック
15

時系列順——素直だが、立ち上がりが穏やかで掴みは弱め。

「出来事の順序」と「語る順序」は別物だ。時系列を崩して事件の渦中から始めれば冒頭フックが跳ね上がる(イン・メディア・レス)。情報をいつ出すかの設計は、伏線と同じく順序の技法である。

推敲・磨き込みのチェック観点

初稿を磨き込む際は「各シーンが物語全体の目的に貢献しているか」「キャラクターの発言がその人物らしい語彙になっているか」「読者が今どこにいるか(時間・場所)を見失っていないか」の3点を通して読み直すと、粗が見つかりやすい。

触ってみるスライダーで視点の距離を変え、同じ場面の語り方の違いを読み比べてください
花子は寒い駅のホームに立ち、腕時計に目をやった。

遠い(客観・カメラの目)

遠い(俯瞰)近い(内面)
2 / 5

同じ「駅で人を待つ女」でも、カメラを引けば状況が、寄せれば感情が前に出る。距離は一定に固定せず、山場で寄せると効果的。

推敲では「今どのくらいの距離で語っているか」を意識するとブレが減る。地の文をどこまで内面へ寄せるかは一定に固定せず、山場で寄せて余白で引くと、感情のメリハリが生まれる。

触ってみるスライダーでセリフの直接度を変え、言外の意味の効きを確かめてください
「……コーヒー、まだあったかな」

深いサブテキスト

言外(サブテキスト濃)直接(説明的)
20

本題に一切触れない。観客が行間を読む余地は最大だが、意図が伝わらない危険もある。

説明的すぎるセリフ、いわゆるオン・ザ・ノーズは、推敲でまっさきに疑いたい箇所。本心をそのまま口に出させると、読者が行間を読む楽しみは消えてしまう。言いたいことを一段ずらして言わせられないか。そこを一度立ち止まって考えるだけで、セリフは見違える。

AIに投げるプロンプト例

短編小説の下書きを推敲してほしいです。 以下の観点でレビューし、具体的な修正案を出してください。 - 三幕構成に沿って、各パートの役割が明確か - 主人公の「欲求」と「欠落」に一貫性があるか - 張った伏線が後半で自然に回収されているか - 冗長なシーン・物語に貢献していない描写があれば指摘してほしい